転職の際、必ず書面で確認すべきいくつかのこと

転職のイメージ

転職の場合、書類選考、面接などを経て、実際に中途採用が決定するまでに、給与など待遇面についての条件を書面で確認することになります。その際、大切な情報を読み飛ばしたり読み違えたりしないよう注意が必要です。

書面(オファーレター、内定通知書)のチェックポイント

こうした書面は企業によって体裁がまちまちですが、一般的に「入社日」「ポジション(肩書きや配属部署、勤務地)」「給与額」「有給休暇日数」などが記載されています。内定前に提示してくれる親切な企業もありますが、たいていはオファーレター(内定通知書)に記載されているものを転職者が追認、不満があれば交渉する恰好になります。

このとき大切なのは、とにかく右から左までなめるように見ることです。

1.給与額

とくに目を凝らしたいのは「給与額」。たとえば、年俸制で1000万円と書かれている場合、1000万円を月給12か月分、14か月分、16か月分など(その企業の賞与の比率によって変わる)で割って、月給を算出します。

16か月の場合、1000万円÷16=62万5000円。これが月給額。またこの場合、(16か月分-月給にあたる12か月分)÷賞与2回=賞与1回あたりが月給の2か月分です。ただし、たとえば5月に入社して7月にボーナスを受け取るケースでは、評価期間は2か月だけ。このため最初のボーナスは目減りすることになります。

2.社会保険、昇給制度、試用期間、退職金、退職規定など

さらに「社会保険」「昇給制度」「試用期間」「退職金」「ストックオプション(自社株を社員に提供する)」についても明記されることがあります。また、「競合他社へは退職後何か月間、転職してはならない」「退職後、部下をスカウトしてはいけない」「辞意の表明は何か月前までにおこなう」など、退職に関わる事柄が細かく規定されることもあります。

これらをしっかりチェックしなかった結果、正社員のつもりが契約社員で入社してしまったというケースも。また、「リファレンスをとる」と書かれているケースで、実際に借金の有無を調べられたり、興信所へ素行調査を依頼されることもあります。「使用期間」が半年など長い場合、この間有給休暇がとれない点にも注意が必要です。

条件に不満がある際の交渉術

条件が希望に合致しない場合は交渉が可能です。とはいえ、交渉の結果、トラブルとなって、人柄を見限られてご破算になることもありますから、あまり強気に打って出るのはおすすめできません。

無理に希望を通したところで、それですべてうまくいくともかぎりません。ぼくが以前に話を聞いた外資系ヘッドハンターによれば、「外資系は基本的にポジションによって給与が決められている。希望の給与額を追求した結果、実力以上のポジションで入社することになった人の多くは入社後に苦労している。逆に実力未満のポジションで入った場合、周囲のサポートが得られやすく、結果として2年後にはさらに上へ昇進していることが多い」のだそうです。

交渉にあたっては、細心の注意が必要です。

このほかよくあるのが「入社日」を延期したいケース。この場合も慎重な姿勢で臨むことが大切です。「プロジェクト単位で人員補充をおこなうことの多いIT企業などは、早く来られる人を優先させる傾向にある」(同)からです。

なお、本来、条件のすり合わせは書面を手にする前にしっかり行うべきものです。書面が出てきてからのネゴでは、ロジカルな説得が不可欠になりますので、営業職なら「自分は過去にこの方法でこの期間にこれだけの成果をあげた。だから御社でも同じ数字が出せる」といった具体的な表現を心がけるべきです。

photo credit: opensourceway via photopin cc

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