リュック・ベッソン監督に聞いた、ヒットの法則

雑誌の連載をしていた時分、映画関係者や出演者の方々へ定期的にインタビューをしていました。

リュック・ベッソン監督にお会いしたときのことです。『グラン・ブルー』以来のファンであるぼくは、どうしてベッソン監督が長年にわたって映画制作の最前線に居座り、ヒットを飛ばしつづけけることができるのか、その秘密をどうしても知りたいと考えていました。

『ニキータ』『レオン』などの、腕利きの監督として知られていますけれど、同時に、筆の立つライターでもありますからね。脚本を手掛けた作品には『TAXi』『トランスポーター』『ダニー・ザ・ドッグ』などがあり、最近も『96時間』などで、老いてなお健筆をふるっておられます。

――どうして、アイデアの泉が枯れないの?

――どうして、観客に受けるネタがわかるの?

小室哲哉さんのように、ヒット曲を生みだす法則でもみつけだしていて、内証にしているのではなかろうか。きっと、なにかカラクリがあるはずだ、と。絶対に聞きだしてやる、と肩に力が入っていました。

すると、ベッソン監督はこういいました。

「なにがおもしろいかなんて、僕にはわからない。観客がなにに反応するかもわからない。僕にできるのは、おもしろいと感じる要素をとにかくたくさん詰め込むことだよ」

そういうものか、と思いました。

肩の力が抜けたのがわかりました。

それ以来、ぼくはなにかをつくるとき、文章を書くときなどもですが、ここで受け手にこう感じてもらいたい、ここをおもしろがってほしい、というような計算をやめました。おもしろい、と思うことを出し惜しみせず詰め込んで、おもちゃ箱かびっくり箱のようなものをつくってやろうと、ただそれだけを考えるようになりました。

photo credit: kennethkonica via photopin cc

あとがき

ついでながら、著名な作家の仕事術をいくつかご紹介したいと思います。

「気分が乗ったときに書くなどという作家は、物書きとしてばかりでなく、人間としても成功できない」(ジョン・マクドナルド)

「1日5時間、毎日書く。日曜や祭日も休まない」(エリック・アンブラー)

「毎日とにかく少しの間でもタイプに触らないと、たちどころにガタがくる」(ポーリン・スミス)

「ひとついっておきたいのは、快適な仕事場を整えなさいということ」(フィッシュ)

「難題について、眠る前に考えていると、起きたときに答えがでている」(マナーズ)

彼らはみな、明確なスケジュールを立てて、自律的かつ規則的に仕事をこなしています。時間が自由になる仕事だからこそ、人一倍徹底した自己管理が必要になるのです。

Webサイトやブログも一種のエンタテインメントです。読者を楽しませる、という視点があると、ファンが増えますし、ひょっとしたらビジネスチャンスが生まれるかもしれません。

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