旅行、小売・流通・サービス、食品、出版業界の資格

資格でるんるん

ITを筆頭に、建築土木、法律、金融、不動産、技術者、事務、経理など、さまざまな業界・業種の資格について、これまで記事をしたためてまいりました。今回は、そこに漏れていた資格を “スペシャリスト系” というくくりで、一挙にご紹介してみようと考えています。

旅行業界なら「ツアーコンダクター」と「旅行業務取扱主任者」

というわけで、旅行業界からいきます。

この業界で活躍したいなら、真っ先に取得すべきは「ツアーコンダクター」です。添乗員になるには必須の公的資格ですね。

次に狙うは「旅行業務取扱主任者」。旅行代理店の営業所に1人以上の旅行業務取扱主任者を配置することは法で定められていますから、持っていれば職場に必要な即戦力として評価されます。

就職や転職、キャリアアップに役立つのです。

ツアーコンダクター(旅程管理主任者)
旅行ツアーに添乗し、プランにしたがって旅程を管理することができる能力を認定する公的資格です。「国内」と「総合」の2種類があり、海外旅行の添乗員になるには「総合」が必要です。といっても、どちらも研修を受けるだけでほぼ合格するやさしい資格です。合格率も100%近いです。
国内旅行業務取扱主任者
国内旅行のスペシャリストとして認定される国家資格。旅行代理店の営業所の管理者となるのに不可欠です。合格率30~40%とやや難しいですが、受験者数は毎回1万人以上と人気です。

「国内旅行業務取扱主任者」取得後は、「一般旅行業務取扱主任者」にも挑戦するとベターです。むろん、最初からこちらを狙ってもOKです。

一般旅行業務取扱主任者
「国内旅行業務取扱主任者」の上位資格です。国内旅行はもちろん、海外旅行を取り扱う旅行代理店の営業所の管理者にもなれます。取得しておけば、業界内での転職やキャリアアップに有利です。

小売・流通・サービス業は、プロのセールスマンの資格を

小売業や流通業、サービス業などでのキャリアアップをもくろむなら、「小売商(販売士)検定」や「消費生活アドバイザー」などがおすすめです。

取得すれば、セールスのプロフェッショナルであるというお墨つきが得られます。

とくに「消費生活アドバイザー」は、行政や法律、経済に関する、消費者のための知識に長じていると認定してくれる公的資格で、企業と消費者の橋渡し的な業務ができるようになります。

たとえば、消費者から受けたクレームを処理し、企業側に消費者の意向を伝える、こんな仕事です。企業の顧客サービス部門やお客様相談室などで有資格者はありがたがられますね。

営業職への転職時などでも、顧客対応のスキルが高いとアピールできる資格です。

販売士検定
流通業界では唯一の公的資格です。1級から3級まであり、小売業に関する知識から販売・経営管理の能力、接客スキルまでを証明してくれます。3級は毎年2~3万人が受験し、合格率は70%近いですから、狙いやすい資格といえます。
消費生活アドバイザー
内閣総理大臣と経済産業相が認定する公的資格で、消費者と企業のパイプ役であることを保証します。取得すれば、消費者のための行政や法律、経済や生活一般に関する知識を有すると太鼓判を押してもらえるわけです。「販売士検定」よりはぐっと難しいですが、給与面でもメリットがあります。

どちらも、プロのセールスマンを胸を張って名乗れる資格です。

一方、ホームセンターや靴屋さんなど、特待の職場で重宝がられる資格があります。

たとえば、日曜大工の指導ができる「DIYアドバイザー」や、靴選びのプロの資格「シューフィッター」などがこれにあたります。

DIYアドバイザー
DIYのプロフェッショナルを認定する資格です。大型のホームセンターが続々誕生している一方で、DIYのアドバイスができる人材は不足しています。取得すれば、ホームセンターなどへの就職や転職に有利となることウケアイです。
シューフィッター
靴のフィッティングや調整のプロだと認定してくれる資格です。難易度はさほど高くないのですが、靴の販売や製造など、靴に関わる仕事に3年以上携わっていないと受験することができません。業界での需要は高いですから、この業界を狙うなら取得しておいて損はありません。

食品業界への就職や転職、キャリアアップに役立つのは?

食品会社やお菓子メーカーでのキャリアアップ、あるいは就職や転職を考えているなら、「栄養士」や「製菓栄養士」「フードコーディネーター」などの免状が役立ちます。

栄養士
取得するには、栄養士養成施設として指定認可された学校で、該当する課程を履修し、きちんと卒業する必要があります。給食に関するスペシャリストを認定する国家資格ですが、食品産業全般でその知識は役立ちます。
製菓栄養士
お菓子やパンの安全性に関する知識を獲得できる国家資格です。製菓理論や栄養学、食品衛生学、食品学などが身につきますから、食品業界で働くなら持っておいて損はない知識が習得できます。また、飲食店や食料品店などを開業する際に必要となる「食品衛生責任者」としても認められますし、お菓子メーカーや製パンメーカーなどでのキャリアアップにも役立ちます。
フードコーディネーター
食の専門家として、「食」をテーマにした商品やメディア、店舗、空間、イベントなどをプロデュースできるフードコーディネーターを認定する資格です。飲食業界や食品産業などで羽ばたくきっかけとなるはずです。1級から3級まであります。

校正やDTPのスキルを認定する資格で、本づくりのお手伝い

新聞や雑誌などの紙媒体の編集に携わりたいなら、「校正技能検定」や「DTPエキスパート」といった資格がおすすめです。

編集者や記者の仕事は、特定の資格を必要とするものではありませんが、こうした資格があれば、その知識が仕事にかならず役立ちます。仕事をしていれば嫌でも身につく知識ですから、資格の有無が社内評価の対象になることはほとんどありませんが、就職や転職時にはアピールポイントとなってくれます。

なお、編集の仕事を縁の下で支える校正者やDTPオペレーターを目指すなら、こうした資格は取得しておくに越したことはありません。フリーランスとして活躍する道も拓けます。

校正技能検定
新聞や雑誌などの出版物の制作過程において、ゲラの校正をおこなう校正者の存在は不可欠です(媒体によっては専門の校閲者に依頼しないケースも多々ありますが)。実技と学課の両試験で校正者としての力量をはかるこの資格を取得しておけば、就職や転職の際に有利です。フリーランスの校正者としてやっていく足がかりにもなります。
DTPエキスパート
紙媒体の制作現場で即戦力となるDTPの知識を認定する資格。Ⅰ~Ⅲ種まであります。DTPオペレーターのための資格ですが、編集者や記者、ライターなども必要に迫られて、DTPでゲラに赤入れをしたり、レイアウトを修正したりすることがたまにありますから、取得しておけば実践で使えるスキルが身につきます。

photo credit: HikingArtist.com via photopin cc

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