わたしたちの子ども時代は、自転車の練習といえば、何度も転んではひざ小僧をすりむき、乗りこなせるようになるまでにかなりの日数を要したもンです。
ところが、最近はすんなりと自転車に乗れるようになる子が多いのなんの。どうしてかというと、数年前から流行っているペダルなし自転車のおかげなのです。
ストライダー、ご存知ですよね。あの手のペダルなし自転車にまたがって、両足でチョンチョン蹴り進んでいると、二輪車の運転に必要なバランス感覚が自然に身につくのだそうです。
だから、補助輪のついた自転車から補助輪をはずす場合も、いったんペダルなし自転車の状態を経由すると、上達が早い。かなりの時短になります(ペダルは、自転車屋さんではずしてもらえますが、15mmのレンチがあれば自分ですぐにはずせます)。
その状態でバランスがとれるようになれば、あとは瞬く間。ペダルをもとに戻して半時間もたたないうちに、うちの子はスイスイ走れるようになっていました。実際、最新のスポーツ科学でもこの方法が推奨されているそうです。
ただし、補助輪とペダルをはずした自転車でうまくバランスがとれるようになるには、教え方にちょっとしたコツが必要。というわけで、そのコツをこれから解説します。ペダルなし自転車の練習方法としても使えますよ。
すでにストライダーやストライダー的類似品に上手に乗れる子は、この特訓は必要ありません。もう普通の自転車に乗れます。うちの子がダメだったのは、無類の恐がりだから(-_-)。
もし恐がるようなら、サドルを軽く支えてあげれば安心します。そんでもって、様子を見て、黙って手を離しちゃいましょう(^-^)
もくじ
補助輪とペダルをはずした自転車の3ステップ練習法
自転車はスピードに乗れば安定しますが、チョンチョンと地面を蹴っているだけだとフラフラして恐いものです。だから、チョンチョンではなく、ズンズン前進するようにしてあげることが大切。そのために必要なのはこの3つのステップです。
STEP1.スタート時の足の位置を前へずらす
手を足に添えて、できるだけ前方に接地するようにしてあげましょう。すると、自然に地面から足が離れる時間が長くなります。
STEP2.地面を蹴るのに合わせ、サドルを軽く押す
子どもが地面を蹴るタイミングで、軽くサドルを押してやると、すいっと前進して、足の滞空時間がさらに伸びます。スピードが出ると、バランスもとりやすくなります。
STEP3.進行方向のずっと先を見るようにさせる
うちの娘はいつまでもフラフラしていました。しかも、ふらつくのが恐いらしく、すぐに足を地面についてしまうのです。スピードなんて出ません。そんな娘をじっと観察していて、あることに気がつきました。だから、娘の前方へまわり、こう告げました。
「オレだけを見ろ」
ブッ、と隣で妻が吹きだすのがわかりました。
さておき、娘は足元ばかり見ていたのです。近くの風景は流れる速度が早い。恐怖感が増します。安定感を失ってしまいます。地面を見て自転車に乗ったら、大人でも転びそうになりますからね。
それからは、わたしが前方で手招きしつつ、「こっちこっち」と声をかけるようにしました。サドルを押す役目は、妻に代わってもらいました。すると、姿勢は安定、恐怖心も幾分やわらいだ様子。地面から足が離れる時間が長くなり、すぐに大きく地面を蹴ることができるようになりました。
ここまでくればしめたもの。あとは、自転車にふたたびペダルを装着すればOK。恐がったので、最初はサドルの後ろに手を添えていましたが、すでに自力でバランスがとれるようになっています。そっと手を離しても大丈夫です。「いま、手を離してたよ」「え?」
というわけで、数時間ほどでわが家の自転車練習は幕引きとあいなった次第であります。
めでたしめでたし♬
どうしてもダメなら?
それでダメなら、自転車のサイズが合っていない可能性が高いです。自転車は、子ども服のように「どうせすぐに大きくなるからワンサイズ上を買っておく」ということを絶対にしてはいけません。子どもの命にかかわります。
自転車屋さんでは、ジャストサイズを選定してもらいましょう。もう大きめ買っちゃったよ、というなら、自転車練習はしばらくおあずけです。その場合は、交通公園がオススメ。
交通公園ってなんだ?
公道を模してつくられた、信号や標識のある敷地内で、サイクリングを楽しみながら、交通ルールを学べる公園です。
さまざまなサイズや形の自転車があります。足踏みゴーカートなんかも置いてあります。
うちの娘は交通公園が大好き。休みの日になるとよく「連れてって」とおねだりしてきます。まあ、帰りによく立ち寄る回転寿司屋さんのガチャガチャ目当てかもしれませんが。
自転車練習の注意点
最後に自転車練習の際に気をつけるべきポイントをまとめておきます。
ヘルメットはかならず着用
ヘルメットはかならずかぶりましょう。あごベルトもしっかり締めましょう。
長ずぼん、長そでがベスト
半ずぼんだと、転んだときにあちこちすりむいてしまいますからね。壁がある場所で練習する場合は、長そでがベストです。転ぶより、ひじや腕を壁にこすりつけることのほうがよほど多いです。ひざ当てやひじ当てがあるとさらに安心です。
ブレーキレバーの調子を確認
練習開始前に、ブレーキレバーの位置と固さ(子どもの小さな手や握力で、しっかり握れるかどうか)はかならずチェックしてください。
叱らないで、過剰なくらいほめる
子どもがやる気を失って、「自転車なんかもう乗りたくない」なんていいだそうものなら、親の失態です。オーバーなくらいほめそやしたほうが上達が早いです。
まとめ
自転車に乗れることと、公道を走れることは別物です。道路に送りだすまえにみっちり交通ルールを教えこまねばなりません。うちは交通ルールを学ばせるのに、さきほどご紹介した交通公園を利用しています。
ともあれ、天気のいい休日に家族そろってサイクリングなんて楽しすぎますよね。
photo credit: Harald Groven via photopin cc