妊娠中にお薬が必要になったら? おなかの赤ちゃんに影響があるのでは、と恐がるママも少なくありませんが、正しい知識を身につけて、正しく使用するぶんには大丈夫。
むやみに不安がる必要なんてありませんヨ(๑′ᴗ‵๑)
この記事では、妊娠期にお薬とどうやってつきあえばいいのかを解説しています。
もくじ
薬による胎児への影響は妊娠週によって変わる
赤ちゃんへの薬の影響は、妊娠週によって変わってきます。
妊娠0~3週
最終月経の始まった日から2週間くらい――妊娠0週から3週までは、まだ受精していません。この時期は「無影響期」と呼ばれ、薬による影響を心配する必要はありません。
ちなみにもし早期に受精し、薬の影響を受けてしまった場合、ママが気づかないうちに流産してしまいますから、いずれにしてもこの時期に使った薬のことを気遣う必要はありません。
妊娠4~7週
薬の影響をもっとも受けやすいのが、「絶対感受期」と呼ばれる妊娠4~7週(2か月)。赤ちゃんの中枢神経や脳、心臓、消化器、四肢といった大切な器官がつくられる期間ですので、お薬の使用には細心の注意が必要なンです。
この絶対感受期からさらに妊娠11週までは「器官形成期」と呼ばれます。赤ちゃんの体の度大が形成されますから、とくに催奇形性(器官や機能に奇形を起こす可能性)のある薬を避ける必要があります。
ただし、日ごろから生理不順だったりすると、この器官形成期には妊娠にまだ気づいておられない方もいます。ですので、結婚していたり、恋人がいたりして、妊娠の可能性がある方は、お薬の使用にはふだんから慎重になるべきだといえます。
風邪薬や胃腸薬など市販薬は、箱に書いてあるとおりに服用していれば心配はない、とよくいわれますが、そうはいっても安全性が立証されているわけではありませんから、十分に注意を払って服用しましょう。
妊娠8~15週
器官形成期を過ぎても、妊娠15週までは性器や口蓋などの器官形成がおこなわれます。お薬の影響は否定できませんから、使用には注意が必要なのです(ё_ё)
妊娠16週以降
妊娠5か月目(16週以降)に入ると、赤ちゃんの形状に影響があらわれる心配もありませんが、各器官の発育や機能に影響があらわれる可能性は残っています。というわけで、妊婦さんというものはやはり薬の使用には慎重であることが求められるのですネ(-_-)
妊娠中にお薬を服用する際はココに注意を払おう!
赤ちゃんへの影響を考慮した処方薬がいただけますし、市販薬を使用する場合は、服用可否の判断をあおぐこともできます。ほかの診療科の受診が必要なら、紹介だってしてもらえます。
あと、産婦人科以外の診療科や歯医者さんなどを受診する際は、妊娠週数をしっかり伝えるようにしてください。そうすれば、赤ちゃんに影響を与える可能性のある薬は基本的に処方されません。
なお、基本的、と書いたのは、場合によっては、リスクをとってもその薬を使用したほうがいいケースもあるからです。使用をためらったばかりに症状が悪化し、結果として赤ちゃんに悪影響をおよぼすということもあるのです。ママの健康回復が最優先、という状況もありますので、そういうケースではお医者さまとよく相談するようにしてください^^
もっともダメなのは、自己判断でお薬を使う、ということです。
というわけで、以下は妊娠中のお薬の使い方のポイントです。
- 自己判断で薬を使用しない。
- 市販薬は基本的に避ける。
- 市販薬を使いたいなら、お医者さまとよく相談して。
- お医者さまが必要と判断したお薬はためらわずに使う。
- 処方薬でも、副作用の有無は念のために確認しておく。
いろいろなお薬が赤ちゃんに与える影響について
ひとくちにお薬といってもさまざまです。それぞれのお薬が赤ちゃんにどんな影響を与える可能性があるのか、簡単にまとめておきました。
ビタミン剤やサプリメント
ただし、ビタミンA(ベータカロテン)の大量摂取には催奇形性があるという報告がありますから、用法と用量はきちんと守るようにしましょう。
便秘薬
子宮を収縮させる心配のある下剤や便秘薬は避けましょう。流産の引き金になる心配があります。が、ウンチをやわらかくするタイプの緩下剤なら問題ありません。妊娠中の便秘に産婦人科が処方しているのもこのタイプです。
大事なのは、早めに手を打つこと。ひどくなると、手でかきださないとウンチがでなくなることも。便秘がひどくなると、痔になりますし、痔がさらに悪化していきますからネ(-_-)
胃腸薬
ただし、安全性が立証されているわけではありませんから、妊娠中は市販薬を避け、産婦人科で処方薬をもらったほうが安心ですネ。
処方薬は保険が適用されます。家計にもやさしいのです。
総合感冒薬(かぜ薬)
妊娠4~7週の使用は避けたいところ。ですが、それ以外なら、市販薬であっても2~3日程度なら心配はないようです。でも、念のため、産科で処方してもらうようにしましょう。
解熱鎮痛剤
せきどめ
赤ちゃんに影響をおよぼす心配のある薬はありません。風邪を引いて、せきがひどくなると、おなかに負担がかかります。切迫流産の可能性がある妊婦さんはむしろ積極的に服用したほうがいいくらいなのです。
せきどめの代表であるトローチの成分は、単なる殺菌剤とメントールです。やはり、心配は無用なのです。
鼻炎薬
いわゆる抗ヒスタミン剤。点鼻薬と内服薬の2種類がありますが、どちらも局所に働きかける薬なので、さほど心配はいりません。ですが、内服薬の長期連用はNGです(-ω-)
抗インフルエンザ薬(タミフル)
できれば、ワクチンの予防接種を受けることがおすすめします。こちらも、赤ちゃんへの副作用はありません。
睡眠薬
基本的に妊娠中の使用はNG。神経を麻痺させる成分などが含まれていますので、赤ちゃんの発育に影響のある心配があります。
精神安定剤
神経に作用する成分が含まれますから、服用はNGです。ただし、妊娠前から使用している場合、いきなり服用を中止することが難しいケースも少なくありません。専門医に相談しましょう。薬の種類を変える、服用量を減らすなどの指示があるかもしれません。
鉄剤
こういう場合は勝手に使用を中止せず、お医者さまに相談しましょうネ。胃腸薬を追加処方したり、注射に切り替えるという方法もあるそうです。
膣炎の薬
膣内に挿入するタイプの抗菌剤や抗真菌剤。全身への影響はほとんどありませんから、妊娠中でも問題なく使用できます。膣炎の菌が子宮に入ると、破水や早産を引き起こすこともありますから、薬できちんと治してしまうほうが大切です(-_-)
抗生物質
外用薬なら心配いりませんが、使用する際は念のため医師に相談しましょう。
内服薬は、薬局では買えません。赤ちゃんへ影響があらわれる心配もありますが、処方薬ですから、医師が服用すべきと判断したということです。どういう副作用があるのかきちんと聞いたうえで、服用するかどうかを医師と相談のうえ決めてください。
妊娠中の抗生物質の服用によって、生まれてきた子が湿疹やアトピーを発症するリスクが高まることがわかっています(-ω-)
皮膚の塗り薬
局所的に使用するものですから、内服薬とちがって、体内への吸収もゆるやかです。使用をためらう必要はありません。
ステロイド薬なども少量なら赤ちゃんに影響をおよぼす心配はありません。妊娠中にホルモンバランスの変化が原因でからだがかゆくなる「妊娠性掻痒症」で、ステロイド薬が処方されることも少なくありません。
ただし、全身に長期間使用する場合はお医者さまへの相談が不可欠です。
痔の薬
肛門に入れる座薬なら、作用は局所的ですから、問題ありません。が、内服薬は避けて。
さきほどもお話ししましたが、妊婦さんは便秘しやすく、それが高じて痔になることも少なくありません。便秘の段階できちんと治してしまうことをおすすめします。
点眼薬
局所的に働きかける薬ですから、問題なく使えます。市販薬も心配いりません。
漢方薬
なかには強い副作用があるものもありますので、漢方医や薬剤師が太鼓判を押したからといって安心せず、産婦人科医にもしっかりと相談しておくと安心です。