子どもの足はどんどん大きくなっていきます。だから、わたしはいつも少し大きめのサイズの子ども靴を買っていました。けれど、先日たまたま訪れた靴屋のおじいさんからこんな話を聞き、靴に対する考え方が180度変わったのです。
おじいさんによれば、子どもの足はやわらかいから、多少きつい靴にもすっぽり収まってしまうし、やわらかいから変形しやすいのだそうです。さらにいけないのは、子どもが自分から、
「この靴、合わないよ」
と訴えることがほとんどないことだといいます。
こうしたことが、子どもが足を痛める要因になって、最近は保育園児や幼稚園児のあいだでも、O脚、X脚、成長痛、内反小趾、外反母趾……こんな足のトラブルが増えているというのです。
保育園児の外反母趾、と聞いて、わたしは驚愕しました。なにを隠そう、わたしも外反母趾なのです。そのツラさを身に染みて知っています。娘にそんな思いをそんな若い身空でさせたくはない。気がつくと、わたしはおじいさんのほうへぐいと身を乗りだし、どうしたらきちんとした靴を選べるのかについて質問していました。
答えは明快でした。
もくじ
子ども靴の選び方
1.サイズ
まずはサイズ。靴の内側にかかとをぴたりとつけた状態で、つま先に1cm程度の隙間ができるのがベスト。それから、子どもに窮屈じゃないか、中で指が動かせるかどうかを確認します。
2.試し履き
両足とも履いてみて、少し店内を歩いてみる、というのも大切です。それを背後から親がじっくりと観察。足元がふらつかず、きちんと歩けていれば、しっかりフィットしているということです。
3.靴の幅
靴屋さんに足を計測してもらうのがベストですが、靴を履かせて、両脇を触ったり指を入れたりして隙間がないかどうか確かめることもできます。
昔の日本人は幅広の扁平足が多かったそうですが、近ごろは西洋人のように足幅の狭い子が増えているといいます。幅の合わない靴を履いていると、走ったときなどに靴の中で足が前方に移動し、指が曲がって、足の変形の原因にもなります。
4.3か月おきにサイズ感を確認
子ども靴の買い換えのタイミングは半年に1回といわれています。3か月に1回くらいは、サイズが合わなくなっていないかどうかをチェックしてあげるというそうです。
5.靴のタイプ
具体的にどんなタイプの靴を買えばいいのかは、こちらをご覧ください。普段履きの靴は、デザインでもお値段でもなく(これなんて190円のワゴン品)、機能性重視で選びます。
まとめ
考えてみれば、どれも大人が靴を買うときに普通におこなっていることかもしれません。でも、子ども靴を買う際にきちんと実行できていたかと問われるとはなはだ疑問です。たいそう勉強になりました、と頭をさげ、わたしはその靴屋さんを辞去しました。
子どもの足のすこやかに成長には、よく歩き、よく走る、ということが不可欠です。でも、これからは靴選びにももっと注意を払わねば、と考えさせられた1日でした。
【イラスト内テキスト】CHECK POINT、子ども靴選びはここに気をつけよう! CHECK①ベルト/マジックテープで甲の高さが調節できるベルトタイプがベター。ひも靴は、ひもを踏んづけて転んだり、ひもがほどけていることに気をとられて、周囲への注意が散漫になったりするから、やめたほうが無難。CHECK②靴底/衝撃が直接足に伝わらない、クッション性のあるものを選ぶと◎。CHECK③つま先/つま先がそりかえっていると、歩いたり走ったりするときに蹴りだしやすくて、子どもの自然な動きを邪魔しません。指のつけ根あたりで、靴底が無理なく曲がるかどうかもチェック。