適度な運動は全身機能を高め、妊婦さんがかかりやすい妊娠中毒症や糖尿病、高血圧、肥満を予防します。おなかの赤ちゃんの発育がよくなります。腹筋が刺激されるから、腸のぜん動が活発になり妊娠中の便秘の予防と解消にも役立つのです。
お産が楽になることもわかっています。妊娠中に適度なスポーツをしていた方は、まったく運動をしなかった方にくらべ、お産の時間が3~4時間も短くなるデータがあるのです。
もくじ
妊娠中におすすめのマタニティウォーキングとマタニティストレッチ
マタニティウォーキングのやり方
運動がもともと苦手な妊婦さんや、近所に適当なスポーツ教室が見つからない妊婦さんには、マタニティウォーキングがおすすめ。近所を歩くだけですからね。
でもウォーキングは脂肪燃焼効果が高く、妊娠中の体重増加の予防にうってつけ。始める際に気をつけたいのは、この2点です。
- 転倒予防のため、靴紐のない運動靴をはく。
- 母子手帳、保険証、スマホか携帯、財布を持参する(何かあったときのため)。
いちおうウォーキングのコツも書いておきますね。
マタニティストレッチのやり方
マタニティストレッチは家の中でできるから、もっと手軽です。わたしも妊娠中、ベッドのうえで毎朝、以下のような体操をおこなっていました。
毎日繰り返しおこなうことが大切です。継続することで、母子ともに健康な妊娠生活を送ることができるようになるからです。安定期に入るまでは、足の運動などの軽い体操を行ない、その後は少しずつメニューを増やしていきます。
無理は禁物です。主治医とも相談しながらつづけてみてくださいね。
以下のイラストは全部、リンゴ作。描くのに半日もかかったのに、旦那さまは一目見るなり「キモエロい」のひとこと。トホホ(-_-)
マタニティストレッチ1:背中と腕のストレッチ体操
椅子に腰掛け、両手を組み合わせます。その手を前方に向け、腕ごとぐいと前方に伸ばします。 5つ数えてから、同じ時間休む、これが1セット。10回セット、繰り返します。
マタニティストレッチ2:脇腹のストレッチ体操
両手を組み合わせ、頭の後ろにまわししたら、上半身を左右にゆっくりと傾けていきます。 10回程度おこなうと、腹筋がほどよく刺激されて、便秘解消効果も抜群です。
マタニティストレッチ3:おしりをキュッ
あおむけになり、おしりの筋肉と穴を引き締めます。力を入れてゆるめる、というのを10~20回ほど繰り返します。立った状態や座った状態でおこなってもOKです。
マタニティストレッチ4:ひざ倒し
あおむけに寝転がり、両ひざを合わせて立てます。それから、左へゆっくりと倒していきます。床につくところまで倒したら、今度は右へ。これを5回繰り返すことで、骨盤の筋肉がほどよくほぐれます。
マタニティストレッチ5:あぐら体操
骨盤の筋肉をリラックスさせる効果があります。あぐらを組んで座り、両手をひざ頭に乗せたら、ぐっと体重をかけます。 5つ数えてから、力をゆるめる。これを5回、繰り返してください。
マタニティストレッチ6:わんちゃん体操
四つん這いになり、息を吐きながら、腹筋に力を入れ、背中を丸めます。視線はおへその方向に向けます。深く呼吸し、今度は息を吐きながら、腹筋の力をゆるめ、胸を張り、重心を前方へ。呼吸したら、最初からもう一度。5回、繰り返します。 わたしはぎっくり腰になってから、これを続けています。腰の疲労や腰痛がかなり楽になりますよ。
マタニティストレッチ7:つま先曲げ
あおむけになり、ひざを立てます。息をゆっくりと吐きだしながら、片方のつま先をピンと張って高くあげます。足と床の角度が45度の位置で、足首を5回曲げ伸ばし。それから、足をゆっくりとおろし、次反対側の足も同じことをします。 3~5セットおこないます。むくみや静脈瘤の予防にもなります。就寝前におこなうと効果的です。
マタニティストレッチ8:足の指リフティング
椅子に腰掛け、両足を床につけます。 つま先だけを上にぐいとそらしてからおろす、これを10回おこないます。
マタニティストレッチ9:足首体操
足を組んで、ゆっくりとつま先を上に向けます。次に下へ。今度は反対側の足で。計5セットおこないます。
マタニティストレッチ10:肩ぐるぐる体操
指先を肩先につけ、肘を背後から前方へ、前方から背後へとぐるぐるまわします。やってみると意外に気持ちがいいものです。自然と腹筋に力が入るので、腸の動きがよくなりますし、妊娠中の肩こり解消にも効果大。
マタニティストレッチ11:首の前後運動
手のひらを組み合わせ、後頭部にあてて、頭と手で押し合いっこします。次に、手を額にあて、額と手で押し合いっこします。最後に首をぐるぐるまわしておします。妊娠中の首や肩のコリに効きますので、あわせておこなうことをおすすめします。
妊娠中の理想的な運動は、マタニティスイミング!
妊娠中のスポーツとして、昨今注目を集めているのが、マタニティスイミングです。
浮力のある水中では、子宮を支えている筋肉への負担が減り、腹筋と背筋がうんと楽になります。さらに、子宮が浮き袋のような役割を果たしますから、身体が浮きやすくなって、妊婦さんはつかの間、重石のような重力から解放されます。妊娠前と同じように、楽々と動けるようになるのです。
水泳は全身を使う有酸素運動です。血液循環がよくなり、むくみや腰痛、肩こり、子宮に圧迫されてできたうっ血などが解消します。お産に必要な筋肉も鍛えられますから、安産になりやすいのは先述のとおり。
興味のある方は、最寄りのスイミングスクールにマタニティスイミングのコースがあるかどうか、電話で確認してみましょう。事前に、かならず主治医の許可をもらうことを忘れないでくださいね。
妊娠中にできる運動はほかにもある
妊娠中の運動はほかにもいろいろあります。
たとえばマタニティヨガ、マタニティビクス……。スポーツジムや、地域の保健センターなどで、いろいろと妊婦さん向けのスポーツ教室が開かれていますから、先輩ママに聞いたり、インターネットで検索したりして、積極的に参加してみてください。
こちらのサイトでは、マタニティヨガやマタニティビクス、マタニティストレッチなどを実施している、全国のスポーツ施設が探せます。
参考 マタニティフィットネス日本マタニティフィットネス協会妊娠中に運動を行なう場合の注意点
マタニティスポーツを始める際は、次のようなことに気配りが必要です。
- 妊娠5か月以上である。
- 妊娠の経過が順調である。
- 過去に流産や早産の経験がある。
- 妊娠中毒症や妊娠糖尿病、心臓疾患などの持病がある。
スポーツ教室を選ぶ際は、専門の指導員がいるか、トラブルが発生した際にきちんと対処できる体制が整っているかなどをチェックするようにしてくださいネ。
赤ちゃんのすこやかな成長のためにも、ちゃんと運動してくださいネ。ウォーキングや体操ならいますぐに始められますヨ!