某日――。
ぼくは、証券会社のサイトから資料請求画面へ飛び、個人情報を入力。ネット証券10社に資料請求をおこないました。証券会社は使い分けが基本。国内約500万のネット口座に対し、ユーザ数は100万程度。つまり、ひとりの投資家が5つの口座をもっている勘定です。
数日後、書類が届きました。署名と捺印をすませ、投函。待つこと3日、最初の口座開設完了通知が到着。その後1週間ですべての口座が開かれました。
カブドットコム証券は即日、口座開設ができ、最短で翌日から取引が始められます。
いよいよオンライントレードの開始です。ふと、先日の新聞記事が頭をよぎります。そういえば株式分割でニュースな会社がありました。
その会社の株価をチェックしてみることにします。売買は1株単位、株価も5万円と値ごろです。四季報を精読し、業績をチェック。10社のサイトで同じことをやってみたが、一番スムーズにおこなえたのは楽天証券。なかには、会社情報を用意していない証券会社もありました。
株価画面から直接注文が出せない証券会社もあり、少し手間どりましたが、コールセンターに電話し、使い方を聞いてみたら、どこもわかりやすい答えが返ってきました。
投資情報ツールもいくつか試してみました。楽天証券のツールは一見、朴訥な顔つきですが、直感的に操作できます。サクサク動くのもうれしいです。
ともあれ、売買手数料が1注文100円(約定金額10万円以下)と最安のマネックス証券で、初の買い注文を入れ、無事約定するにいたりました。
【約定】売買が成立すること。約定時の値段を約定値段。これに株数をかけたものを約定代金といいます。株式では値段が折り合わず約定できないこともあります。
それにしても意外なほどに簡単な取引でした。もし株数を誤って入力したら大変です。注文の際はちょっと注意が必要かもしれません。
ぼくがオンライントレードを試してみて感じたのは、証券会社によって管理画面の使い勝手や情報量などに歴然とした差があること。なにを重視するかは人それぞれですので、やはりまずは複数トライしてみるのが得策です。
もくじ
オンライントレードの取引は難しい?
口座開設が完了したら、証券会社の口座にお金を入金。サイト上で銘柄を選び、即売買をはじめられますが、もちろんこれでは“投資”とは呼べません。
各証券会社のサイトにある取引条件やQ&Aをまずは熟読し、企業情報などを活用して慎重に銘柄を選んでからオンライントレードをはじめましょう。
口座開設から株式約定までは最短1週間でおこなえます。手順はこのとおり。
右写真は、カブドットコム証券のオンライントレード専用パソコン「kabuパソ」。設置作業、設定作業、4画面などがセットで20万円前後。安いですね。
1.口座開設
証券会社のサイトから口座開設を申し込むと数日後に書類が届きます。必要事項を記入して捺印、本人確認書類とともに郵送します。
2.入金
オンライントレードは基本的に前金制。証券会社の専用口座に代金の概算を入金する必要があります。これでいつでも取引がおこなえるようになります。
3.銘柄選び
証券会社が提供するアナリストレポートや投資情報などをフル活用し銘柄を絞ります。四季報などでその会社の業績もチェックしましょう。
4.注文
買いたい銘柄が決まったら、株式現物取引の売買画面へ。ほしい株数、注文方法(成行、指値)を入力し、いざ注文を確定。
5.約定
注文受付が終了。この時点では証券会社が注文を受けつけただけ。約定しているかどうかは注文約定照会画面で確認できます。
証券会社選びは難しい?
自分に合う証券会社を見つけ出すのはなかなかに困難です。ネット証券の口座開設は基本的に無料ですから、まずは5~6社で実際に口座を開き、使い比べてみるのが近道です。
ネット証券は大別して2種類。店頭窓口をもつ一般の証券会社がおこなうケースとネット専業です。前者では、年額数千円程度の口座管理料金が発生することもあります。申し込むまえにしっかり確認しておきましょう。
信用取引は初心者にはハードルが高い
証券会社に保証金を担保することで、その3倍額程度の取引が行えるのが信用取引。制度信用と一般信用の2種があり、前者は取扱銘柄数の制限や6か月の返済期限があります。銘柄制限や返済期限のない一般信用を“無期限信用”と呼びます。
信用取引は投資でなく投機。損切りを徹底できるならトライしてもOK。ただし、ネット株ビギナーには敷居が高いですから、最低半年くらいは手をださないほうが得策です。老婆心ながら。
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