紀元前6世紀ごろ活躍。古代ギリシアの哲学者で詩人。生まれはイオニア。エレア学派の先駆とされる。
擬人的神観、つまり神々を人間のような感情を持った存在とみなすことに強く反対し、『イリアス』と『オデュッセイア』の作者であるホメロスを批判した。といっても、ホメロスと同時代人ではない。ホメロスはクセノファネスより300年くらい前に生きた人だ。
それに、クセノファネスのホメロス批判はお門違いなんじゃないかとぼくは思う。ホメロスは、神話をそのまま文字に書き起こしたにすぎない。あえて、通俗的な脚色をしたわけではないし、大衆に媚びたわけでもない。ギリシア神話の神観は、人類の暮らしのなかで自然発生したものなのだ。
でも、この時代に一神論を唱えた、という点で、クセノファネスはすこぶるアバンギャルドな人だったといえる。