DV夫から逃げようとついに決心した。あるいは勢いにまかせてもう家を飛びだしてきたけれど、さあどうやって暮らしていけばいいのか……。
日々の暴力にさらされつづけてきた心身が悲鳴をあげていて、もう精根尽き果てている。それに、0歳と3歳の子どもも連れてきた。仕事なんて見つかりっこない。
こんな被害女性は少なくありません。でも心配しないで。ちゃんと道はあります。それを教えます。
もくじ
DV夫から避難した際の、4つの生活費(お金)工面術
あなたの選択肢はおおきくこの3つ。
- 一時的に生活保護をもらう
- 子育て手当をもらう
- 公的な貸し付け制度を利用する
- 生活費や養育費を夫に請求
2の子育て手当には、DV被害者のお母さん向けの制度がありますから、かならず活用しましょうね。
1.一時的に生活保護をもらう
生活保護をもらう、ということに抵抗感を感じる方もおられるかもしれません。が、あくまで一時的とわりきって利用しましょう。そのための税金であり政治なのです。
昨今、不正受給が問題視され、受給枠が減っていますけれども、DV被害者ということになれば話は別です。福祉事務所の方の理解が得やすく、わりとすんなり受給できるケースが多いのです。
ひとりで行くのが不安なら、配偶者暴力相談支援センターに相談してみてください。相談にのってもらえます。福祉事務所と連係していますので、生活保護の受給手続きを手伝ってもくれます。
2.子育て手当をもらう
お子さんがいる場合は、公的支援制度が利用できます。いわゆる子育て手当てですね。
種類 | 対象年齢 | 支給額(月額) |
児童手当 | 0歳~中3 | 0歳から3歳未満は1万5000円、3歳から小学生は1万円(第3子以降1万5000円)、中学生は1万円。高所得者は5000円。 |
児童扶養手当 | ~18歳 | 児童1人なら4万1020円、児童2人なら4万6020円、児童3人なら4万9020円。所得制限がありますが、生活費に困っている状況なら全額支給されます。 |
特別児童扶養手当 | 障害のある20歳未満の児童 | 障がい等級1級は4万9900円。障がい等級2級は3万3230円。所得制限あり。 |
DV被害者の場合、見逃してはならないのが児童扶養手当。受給には、裁判所からDV保護命令を出してもらう必要があります。DV保護命令については、配偶者暴力相談支援センターに相談すればクリアーとなります。
3.公的な貸し付け制度を利用する
低所得者を対象にして官公庁がおカネを貸してくれる制度があります。無利子か、利子がついても非常に低金利。避難女性のなかには生活の困窮し、消費者金融などに手をだしてしまう方もおられるそうですが、これを利用しましょう。
- 生活福祉資金貸付金制度
- 母子福祉資金貸付制度
配偶者暴力相談支援センターや各市区町村の担当課に相談してみてください。
4.生活費や養育費を夫に請求
法律上、「養育費」は離婚後に受けとるものをいいます。正確には、離婚前に夫からもらう養育費や生活費はまとめて「婚姻費用」と呼びます。
この婚姻費用を請求するには、法的な手続きが必要。家庭裁判所に申し立てをしなければなりませんから、こちらも利用したいなら配偶者暴力相談支援センターの手を借りましょう。
あなたが受けとれる金額は、法律で決められた計算方法にもとづいて算出されます。
生活費が底をついたっ、いますぐなんとかしてほしいっ、こんな状況にも裁判所はフレキシブルに対応してくれますから、落ちついて相談してみてくださいね。結審前に、一定金額の支払いを夫に命じるという例もありますので。