もくじ
20世紀に哲学はあるのか?
20世紀にも哲学はある。ありすぎて収拾がつかないくらいある。そのなかで、まっ先に挙げるべきなのは「実存主義」だろう。
実存主義者は、キルケゴール、ヘーゲル、マルクスらから影響
人間が現実に存在する状況を踏まえたいろいろな哲学をまとめて「実存主義」と呼ぶ。
実存というのは、「現実存在」あるいは「現実的存在」を縮めたもの。これまで哲学は人間や世界の普遍的な本質を解明しようとしてきた。実存主義はそういうものより、僕ら一人ひとりがいま現在、直面している現実を肯定し、認めるべきと考える。
ヒマワリ
20世紀の実存哲学者や実存主義者のなかには、キルケゴールから出発した人たちがいるし、ヘーゲルやマルクスの影響を受けている人たちもいる。
20世紀中盤に実存主義が人びとの関心を集めたのは、時代が必要としたということもあっただろうし、この次に紹介するサルトルという実存主義者の存在も大きかった。
ヒマワリ
20世紀に絶大な影響力を誇った哲学者、ニーチェ
20世紀に影響力をふるった哲学者として見逃してはならないのが、ドイツのフリードリヒ・ニーチェ(1844〜1900年)だ。ヘーゲル哲学とそこから生まれたドイツ歴史主義に反発。ヘーゲルとヘーゲル学派の歴史観は「貧血ぎみ」と批判し、清楚なものを賛美した。
ニーチェが「いっさいの価値の転換」を求めたことはよく知られている。その第一の対象として選んだのは、キリスト教の道徳だった。彼はキリスト教の道徳規範を「奴隷の道徳」と呼んだ。
思うぞんぶん生きようとする強い者たちが、弱い者たち、つまり奴隷みたいな人たちにこれ以上足を引っ張られるようなことがあってはならない。そのために価値はくつがえさなければならない。
キリスト教も旧来の哲学も、現世にそっぽを向いて「天上界」や「イデア界」をめざす。どちらも「真の世界」と思われているけれど、本当はまぼろしである。
ニーチェは神を否定した。『ツァラトゥストラ』などの著書において、「神は死んだ」と宣言したことはあまりに有名。「大地に忠実であれ」と、ニーチェはいった。
「この世ならぬ希望を語る者に耳を傾けるな」(ニーチェ)





実存主義の先駆者ニーチェの思想は、後進へと引き継がれる
ニーチェの時代、実存主義はまだ産声をあげてはいなかったが、能動的なニヒリズムを展開したニーチェはその後、神の存在を否定する実存主義の系譜における先駆者として位置づけられるようになる。


そのニーチェとキルケゴールの影響を受けたドイツ実存主義者が、マルティン・ハイデガー(1889〜1976年)だ。ここでハイデガーに寄り道するかどうか迷ったが、文脈を考えると実存主義者のリーダーと目されたサルトルの話に入るほうがいいだろう。




