油断しているところを、いきなり暴漢に背中側から抱きつかれるのは、もっとも危険なケースのひとつ。相手に完全にホールドされる前に上手に立ち回って、身体を引きはがさなければ、身体を抱えあげられ、クルマに押しこまれる可能性だってあります。
こういう状況で有効なのは、エルボードロップ。肘打ちですね。
肘を、相手のみぞおちか顔面に思いきり叩きこんでやれば、ホールドから逃れられるはずです。
背後から抱きつかれたときに、逃げだして反撃するには?
さっと腰を落とし、片足を足をうしろに引いて、バランスをとる。この動きには、相手に抱えあげられないようにする、という狙いもある。
右の脇で相手の左腕をはさむようにして押さえ、身体を勢いよく回転させて、左肘を顔面かみぞおちに叩きこむ。
左足を一歩前に踏みだし、それを軸にして右まわりに回転して、相手と向き合う。ホールドから逃れることに成功! もし余裕があれば、相手の手をつかみ、その手を引きながら、股間に蹴りを叩きこんでやりましょう。
ぐうの音も出ないはずです。
ご注意
ここでご紹介したのは、絶体絶命の状況下、相手の動きを封じ、逃げるための撃退術です。完膚なきまでに叩きのめそうなんてまちがっても考えないようにしてください。
やりすぎは禁物です。でも中途半端も禁物。相手を不用意に怒らせると危険です。狙いは、意表を突き、相手をびっくりさせて、その隙に逃げるか助けを呼ぶこと。相手はあなたが女だと見くびっていますからね。
ピンチにおちいったら、人間だれしも恐怖と緊張で身体がすくみます。護身術はふだんの練習がものをいいます。頭で考えなくてもからだが勝手に動く、というくらいまでくりかえしシミュレーションしておきましょう。
護身術があるから安心とも考えないで。相手がバットやナイフなどの武器を所持していたら、女性が素手で対処するのはほぼ不可能です。あくまで、いざ、というときの保険、と考えてください。
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