正面から抱きつかれた場合の対処法と似ていますが、こちらはいきなり抱きすくめられ、身体の自由を奪われたり、足が地面から浮いてしまったケース。
この局面では、相手の髪か耳をつかみ頭部の自由を奪うことで、形勢逆転をはかることができます。注意したいのは、抱きつかれた、と思った瞬間、すぐに行動に移すこと。相手の不意をつくことが、成功の秘訣です。
身体のバランスをとるのが難しい状況でどう動くか、という護身術ですから、背中を壁や電柱、木の幹などに押しつけたケースなどでも流用できます。
いきなり抱きすくめられたときの脱出方法
突然、抱きすくめられてしまった! さあ、どうする!?
左手で、相手の側頭部の髪をつかみましょう。髪の毛が短い場合は、耳でもOKです。ただし、耳は人間の急所。与えるダメージが大きくなるぶん、相手を逆上させる可能性も高いので、注意が必要。
髪の毛か耳をつかんだ左手に体重を乗せるような感じで、相手を引き倒します。同時に自分の身体を引きます。
相手の顔面に思いきりパンチを打ちましょう。
これ以上の格闘は無用です。相手がひるんでいるすきに、すかさず逃げるか助けを呼びましょう。
ご注意
ここでご紹介したのは、絶体絶命の状況下、相手の動きを封じ、逃げるための撃退術です。完膚なきまでに叩きのめそうなんてまちがっても考えないようにしてください。
やりすぎは禁物です。でも中途半端も禁物。相手を不用意に怒らせると危険です。狙いは、意表を突き、相手をびっくりさせて、その隙に逃げるか助けを呼ぶこと。相手はあなたが女だと見くびっていますからね。
ピンチにおちいったら、人間だれしも恐怖と緊張で身体がすくみます。護身術はふだんの練習がものをいいます。頭で考えなくてもからだが勝手に動く、というくらいまでくりかえしシミュレーションしておきましょう。
護身術があるから安心とも考えないで。相手がバットやナイフなどの武器を所持していたら、女性が素手で対処するのはほぼ不可能です。あくまで、いざ、というときの保険、と考えてください。
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