ツイッター、Facebook、LINEなど、新しいコミュニケーションツールが続々と産声をあげる昨今、ストーカーのタイプにも変化が生じています。その最たるものが「ネットストーカー」。読んで字のごとく、インターネット上で特定の相手につきまとう行為や行為者のことです。
以下は、典型的なネットストーカー被害の例です。
- Facebookで、プロフィールを公開。
- 現実社会の友人や、ネットで出会った友人から届くコメントやメッセージを毎日、楽しみにしていた。
- そんなある日、知らない相手から「好きです。つきあってください」というメッセージが届く。
- 断ったが、メッセージはしつこく送られてくる。
- 腹が立ち、「もう2度と連絡してこないで。大迷惑です」と返信した直後、相手が豹変した。
- 翌日から毎日、膨大な量の脅迫メッセージが届くようになった。
- 時を同じくして、ツイッターで、根も葉もない自分の悪口が大量に書き込まれるようになる。
- Facebookやツイッターのアカウントを削除したが、時すでに遅し。
- 相手はすでに正確な住所を調べあげていた。
- ひとり住まいのアパートの郵便受けにある朝、差出人不明の封筒が入っていた。
- 消印はなく、直接投函した模様。封を切ると、短い毛髪がわんさと出てきた。
- 全身の皮膚が粟立つ思いでそれを眺めていると、電話が鳴る。知らない番号からだ。
- その日以来、アパートには帰っていない。実家へ戻ったのである。
- アパートは後日、父親が引き払い、いまは別の街に新しい部屋を探している。
ネットストーカーの特徴
メル友や、場合によってはまったく知らない人物から、一方的に交際を求めるメールや、脅迫文が届く、これがネットストーカーの鬨(とき)の声なのです。
ツイッターやFacebook、Google+(ググタス)といったSNS、LINE、チャット、掲示板、出会い系サイト……もともとはこうしたネットのコミュニケーションツールで知り合った間柄ですから、本人が個人情報を公開していないかぎり、ネットストーカーは被害者の仔細なプロフィールを知らないことがほとんどです。
ですので、ネットストーカーのつきまといもネットの世界だけで終始することがほとんどです。ただ、残念ながら、一部のケースでは、ターゲットの本名や住所、電話番号などがつきとめられてしまい、加害者がネットと現実社会の垣根を飛び越えてしまうこともあるのです。
こうなるとやっかいです。自宅や学校、職場へ乗り込んできたり、生活エリアをうろうろしたりして、あなたを不安と恐怖の奈落へ突き落とすのです。
ネットに端を発するストーカー行為の場合、被害者が加害者を特定できていないケースもめずらしくありませんが、警察に依頼すれば、IPS(インターネットサービスプロバイダ)や、SNSや掲示板の運営会社へ協力を要請し、犯人をつきとめられるケースもあります。早急に警察に相談しましょう。