転職情報誌向けの仕事をしていたころ、若手ビジネスマンに取材をしていて、「MOSを取得したら、社内評価(給料)があがった」「転職が有利になった」という話を何度か耳にしました。
MOS試験(マイクロソフト オフィス スペシャリスト)は、「Word」や「Excel」など「Microsoft Office」の各アプリケーションの利用スキルを認定する資格。これらは、ほとんどの企業が社内で採用しているアプリケーションですから、業界や職種に関係なく、日常業務をこなすために必要な能力として優遇されます。
取得タイミングの目安は、社会人3年目以内。むろん、ベテラン社員の方や、高齢の方の受験も少なくはありませんし、取得すればITリテラシーの向上が見込めますから、メリットはあるのですが、就職や転職の武器として使いたい場合や、社内での評価アップが目的の場合は、そのくらいの年齢で持っていないとあまり意味がないということです。
「MOS」を取得する、具体的なメリットをまとめるとこんな感じ。
- 試験勉強で習得したことが、そのまま業務に活用できる。
- 目に見えないPCスキルを客観的に証明してもらえる。
- 就・転職活動でアピールできる。
- 年中受験可能で、就職・転職活動に即活かせる。
- ふだんの仕事の効率がぐんとアップする。
- 世界共通の国際資格。
ちなみに、2012年度のIT系資格の受験者数トップは「基本情報技術者試験(FE)」の約11万人。これに対し、「MOS試験」は約20万人(IT系資格というのは、一般にIT系技術者のための資格を指しますから、MOSは含まれません)。累計受験者はじつに330万人。人気の高さはこうした数字から十分にうかがえます。
6科目あり、4科目合格でマスターの称号が贈られる
試験は、パソコンを実際に使った実技となります。
科目は次の6つです。
- Word
- Excel
- PowerPoint
- Access
- Outlook
- Windoes Vista
「Word」と「Excel」のみ、一般(スペシャリストレベル)と上級(エキスパートレベル)が設けられていますが、ほかは一般(スペシャリストレベル)のみとなります。
これらをまとめて受験するわけではなく、試験は1科目単位でおこなわれています。つまり、どの科目を受験するかは自分で選ぶ、というわけです。
ちなみに、4科目(「Microsoft Office」のバージョンは同じものを選択)で合格を勝ち取れば、「マイクロソフト オフィス スペシャリスト マスター」の称号が贈られます。「Office」を総合的に使いこなせるスキルが証明できます。現在までに6万人以上がマスターとして認定されています。
難易度はさほど高くないが、自信のない方は通信教育やDVDで
すでに「Office」製品は使いなれている方なら、いきなり受験しても、合格は射程圏内です。そんなに難しい試験ではありません。
ただ、ちょっと自信がないなあ、とか、まったくの未経験で、という方の場合は、資格スクールへ通うケースが多いようです。
その費用は、たとえばMOS受験者数6年連続ナンバーワンを誇るアビバの「MOS資格対策講座」(1回90分11回)の場合、3万4800円。高くはないですが、かといって安くもないですね。
それに、スクール通いは講義時間プラス通学時間を捻出する必要がありますから、忙しい方にはなかなか厳しいです。
そこで、おすすめなのは、通信教育やDVDを活用して映像で学べる教材です。
マイクロソフトが販売する公式テキストもあります。
こうしたものをうまく活用して、「MOS試験」を突破してください。あなたが若手なら、いいことがあるやもしれません。
- 受験資格
- だれでも受験可
- 試験科目
- Word(文書作成ソフト)/Word 2010、Word 2010 エキスパート、Word 2007、Word 2007 エキスパート、Word 2003、Word 2003 エキスパート
- Excel(表計算ソフト)/Excel 2010、Excel 2010 エキスパート、Excel 2007、Excel 2007 エキスパート、Excel 2003、Excel 2003 エキスパート
- PowerPoint(プレゼンテーション ソフト)/PowerPoint 2010、PowerPoint 2007、PowerPoint 2003
- Access(データベース管理ソフト)/Access 2010、Access 2007、Access 2003
- Outlook(電子メール・情報管理ソフト)/Outlook 2010、Outlook 2007、Outlook 2003
- Windows Vista(オペレーティングシステム)/Office 2007
- 例)「Excel」の一般の場合、数式や基礎的な関数の作成、セルの書式設定、グラフの作成などが問われ、上級では、マクロの作成やデータ分析、条件付き書式、入力規則の設定といった、より高度な機能に関する知識が問われます。
- 試験方法
- 全国一斉試験と随時試験から選択
ともにコンピュータを使った、50分の実技試験(CBT試験) - 申込方法
- 公式ホームページ(http://mos.odyssey-com.co.jp/)か郵送で
- 申込期間
- 試験の1か月くらい前から10日前まで
- 試験地
- 全国のパソコンスクールや教育機関
- 試験日
- 全国一斉試験は毎月1~2回(日曜日)
- 随時試験は全国約1700の試験会場が設定する任意の日
- 受験料
- 一般1万290円、上級1万2390円
「Office7」はほかより首題範囲が広いため、1万2390円 - 問い合わせ先
- 株式会社オデッセイ コミュニケーションズ カスタマーサービス
?03-5293-1881(平日10時~18時)
photo credit: Microsoft Sweden via photopin cc
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