探し絵本に関しては、ぼくは一貫して「どこ?」シリーズを推しますが、あの絵本をきちんと楽しめる年齢は4~5歳から。絵に隠されたいろいろな物を探すのが目的ですから、それなりに固有名詞を知っていないとはじまらないのです。
でも、それ以下の子どもたちが楽しめる探し絵本もあります。『きんぎょが にげた』です。
探す相手が金魚だけなので、指さしができれば、親子でキャッキャッといいながら遊べます。
『たべたのだあれ』『みんなうんち』などの作者、五味太郎さんの代表作。うちの娘は2~3歳の一時期、一番気に入っていたようです。
ひとりぼっちの金魚が水槽から逃げだし、家中を泳ぎまわる、というか飛びまわる。金魚は、キャンデーの詰まった瓶や植木鉢、おもちゃ箱などに身を隠しながら、窓から外へと飛びだし、池(用水路かも)に着水します。そこにはたくさんのお友だちとがいましたとさ、というお話。
そのとき、「そかあ、きんぎょん、さびちかたのかあ」といった、娘のかわいさををぼくは生涯、忘れることがないでしょう。人生の最期に見るという走馬燈のなかにみつけることでしょう。
カラフルな絵に、「きんぎょがにげた」「どこににげた」「おや、またにげた」「こんどはどこ」といった簡単で歯切れのいい文章がのっています。読み聞かせは、1歳半くらいから大丈夫。うちの娘も、興味津々といった顔つきで、じいっと見入っていましたから。
『きんぎょが にげた』作・絵/せなけいこ
金魚鉢から逃げだした金魚は、カーテンのもようの中に隠れたり花の中に隠れたり。子どもたちの大好きな絵さがしの大型絵本。(「BOOK」データベースより)
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