おすすめ絵本ベストバイ10 読み聞かせで迷ったらこれ!

たくさんの絵本

子どもがひとりで読んで楽しい本と、親子いっしょに楽める本って、じつは別物なンです。親が読み聞かせをしているとき、子どもが心底楽しめる本というのは、親の好きな本なのです。

読み聞かせにかぎらず、親が楽しむというのはとても重要。子どもは、親が楽しそうにしていると幸福感を感じるし、親が笑っているとつられて笑う、そういう生きものです。

ほら、いっしょにお笑い番組を見ていて、大人が吹きだしたら、子どもも大げさなくらい大笑いする。あれです。

でも、親が子どもの絵本を選ぶとき、普通は子どものことを考えています。うちの子の年で理解できるかな、コレ読んだらやさしい子になりそうだな、頭がよくなるかもな……。いろいろ理由を探しながら本を買っていく。

語り手が、ワクワクしながらページをめくっていないと、物語のもつおかしみ、深み、迫力は子どもの心まで届きません。

あまたの名作絵本のなかから、大人が読んで「楽しい!」「おもしろい!」「ジンとする」と感じる、読み聞かせ向きの絵本を10冊。選り抜きでご紹介!

大人も楽しめる、読み聞かせの定番のおすすめ絵本10選

さっそく、いきましょう。

ここではそれぞれの絵本のくわしいレビューはしません。

興味が湧いた絵本があったら、リンクをクリックしてください。詳細なレビューが開きます。中面の写真もたくさんありますから、どんな絵本かがしっかりわかりますよー。

『だるまさんの』(推奨1歳から)

だるまさんの

『だるまさんの』を読んであげると、赤ちゃんがけらけら笑ってくれます。

娘が0歳児だったころ買った絵本のなかでも、いちばん読んであげた回数が多い絵本です。ぐずっていたらコレ、という感じ。もう最終兵器。その節はほんとお世話になりました。

ちなみに「だるまさん」シリーズは全部で3つあります。1作目が『だるまさんが』で、最後が『だるまさんと』。この『だるまさんの』は2作目にあたります。

ほとんどのパパママが知っている絵本ですね。

だるまさんの ぐずり対策絵本『だるまさんの』 赤ん坊がころころ笑う!

『きんぎょがにげた』(推奨1歳半から)

きんぎょが にげた

『きんぎょがにげた』は、指さしができるようになったらぜひともゲットすべき絵本です。

探し絵本はいろいろ出版されていまして、ぼくのイチオシは『どこ?』シリーズ。なンですが、あっちを楽しめるのは4歳くらいから。というのは、いろんな物を探して楽しむ作品だから。ある程度言葉を知らないとダメ。語彙力が未発達な乳幼児には、ワケワカメなンですね。

というわけで、それなりにボキャブラリーを獲得するまでは、こっちがおすすめ。ピンク色の金魚を探すだけですから。

きんぎょが にげた 『きんぎょが にげた』は、指さしができるようになったら買うべし

『ねないこ だれだ』(推奨1歳半から)

ねないこ だれだ

子どもがこんな時間まで起きいたら、オバケがやってくるぞ! お前をさらいにくるぞ!

子どもがなかなか布団に入らないとき、親はよくこの手のフレーズを口にしますが、通常はスルーされます。オバケなんかいないもん、と。

ご安心ください。『ねないこ だれだ』があれば大丈夫です。何枚ものちぎり絵が醸しだす独特の世界観が、オバケに強い説得力を与えてくれます。うちの娘は読み聞かせて以降、オバケの存在を確信するようになりました。

ちなみに著者のせなけいこさんによると、子どもを怖がらせるために描いたわけではないそうです。子どもが友だちになりたくなるような、かわいいオバケを描こうとしたのだとか。ところがどっこい。いまやしつけ絵本の代表作となっている。

せなさんにとっては想定外の展開なわけですが、鬼太郎やジバニャンに子どもを布団へ直行させる力があるか? ない。世の親たちにとっては、うれしい誤算となりました。

ねないこ だれだ 『ねないこ だれだ』 子どもが寝ないとき便利なデカダンス絵本

『きゅうりさん あぶないよ』(推奨2歳から)

きゅうりさん あぶないよ

親子で大爆笑することウケアイの不条理絵本がこれ。『きゅうりさん あぶないよ』は、鬼才スズキコージ会心の一作です。

なぜだか知りませんが、きゅうりがねずみ退治の旅に出発。道中、いろんな動物が登場。お供として従えるのかと思いきや、きゅうりはわれ関せずでズンズン歩いて行く。そこで、動物たちは身を守るのに役立ちそうなものを彼に差しだすのです。

ちょっとかわいそうなのはねずみ。どうしてきゅうりの恨みを買ったのやら。

はてさて、きゅうりの宿願は成就するのか。ねずみの運命やいかに。結末は、実物を手にとってお確かめください。

きゅうりさん あぶないよ 親子で大爆笑した不条理絵本『きゅうりさん あぶないよ』

『がたごとがたごと』(推奨2歳半から)

がたごとがたごと

『がたごとがたごと』はたぶん、ぼくがいちばん好きな絵本。物語はいたってシンプルです。

たくさんの乗客を乗せた列車(ブルートレインかしら)が、上野あたりの駅を出発。都会の街並みを抜け、のどかな田園地帯を通りすぎて、やがては深い山の奥へ。たどりついた終着駅で、乗客たちはみな馬脚をあらわすのです。尻尾を出すのです。そう、文字どおり彼ら、実は人間に化けていた獣たちだったのです。

絵が実に魅力的。緻密かつ繊細でありながらダイナミック。作家と画家の息もぴったり合っています。

がたごとがたごと 電車に乗ってオバケの国へ出発!『がたごとがたごと』

『ぐりとぐら』(推奨3歳から)

ぐりとぐら

1963年に刊行された『ぐりとぐら』は、定番中の定番。ぼくらの親世代が子どものころから親しんでいる絵本。シリーズ化されています。累計2600万部以上のセールスを記録。現在も記録更新中です。

その記念碑的な第一作がこれ。双子の野ネズミが大きな卵を見つけ、巨大なカステラをつくるという筋書きで、読むとかならずふわふわ系の卵菓子が食べたくなります。子どものころ読んだぞ、というパパママもそうでないパパママも、ぜひお子さんといっしょにお腹の虫をグーグー鳴かせてやってください。

ぼくは最初に子どもに読んであげるとき、こっそりカステラを用意しておきました。で、動物たちがカステラを食べている場面にさしかかったとき、カステラの乗ったお皿をテーブルにどんと置いた。すると娘が、

「このカステラ、ちっこいね」

なんと顔を曇らせたのでした。娘が顔をぱっと輝かせるところを想像していたのですがね……。

ぐりとぐら 定番絵本『ぐりとぐら』 例の巨大卵は**の卵だった

『きりのなかのはりねずみ』(推奨4歳から)

きりのなかのはりねずみ

ロシアの世界的アニメーション作家、ノルシュテインさんの短編を絵本にしたものです。日本でいうと宮崎駿さんクラスの方ですから、この『きりのなかのはりねずみ』はロシア版『となりのトトロ』といったところでしょうか。

あ、内容は全然ちがいますよ。小さなハリネズミが友だちの小熊に会うために夕刻、霧に包まれて視界のきかない世界をたったひとり歩いていく、という物語。

とにかく挿絵が美しいです。幻想的というか耽美的というか、独特の雰囲気があります。大型の絵本ですので、挿絵の魅力が最大限に活かされています。

きりのなかのはりねずみ ひとりぼっちの心細さが蘇る『きりのなかのはりねずみ』

『どこ? つきよの ばんの さがしもの』(推奨5歳から)

どこ? つきよの ばんの さがしもの

すンばらしい! 『どこ? つきよの ばんの さがしもの』をはじめて読み終えたときの感想です。思わずパチパチと拍手していましたねー。

絵本といっても、絵筆で描かれたものではありません。全ページ、ジオラマ。ぼくの拍手は、その異様な完成度に向けたものでした。なにしろ精巧で美しい。作者のほとばしる情熱、強烈なこだわり、集中力とイマジネーションがビシバシ伝わってきたンですね。

探し絵本です。『きんぎょがにげた』みたいなやつです。ただ難易度はずっと高いです。だから大人も十分に楽しめる。

文章に登場する生き物や食べ物なんかが絵の中に大量に隠れていて、それを一つひとつ目を凝らしながら探すわけです。子どもと探しっこしていると時間を忘れます。ほんと。

どこ? つきよの ばんの さがしもの 素敵すぎる探し絵本『どこ? つきよの ばんの さがしもの』

『パパはウルトラセブン』(推奨5歳から)

パパはウルトラセブン

『あなたをずっとあいしてる』とか『おまえ うまそうだな』とか、宮西達也さんの絵本はほかにもいろいろ持っています。どれもおもしろいです。ただ娘を持つパパのベストバイを聞かれたら、ぼくは迷うことなく『パパはウルトラセブン』を推しますね。

地球を守るヒーローにも実は娘がいて、家庭では子育てに追われている。子どもには愛情たっぷりに接しているのだけれど、時に悩み、時に傷つく。世のパパたちと同じように――。

これを読むと、飛ぶように過ぎ去ってゆく日常のかけがえなさを再認識させられます。子どもと過ごす時間がいかに貴重か気づかされます。そういう脅迫めいた力があります。

ぼくは仕事に没頭していると、子どもが「かまってちゃん」になっていても、適当にあしらったり冷たくしたりしてしまうのですが、これを読んだあとは非常にいとおしい気持ちになり、やさしく接することができるようになります。同じようなパパがいたら、ママがぜひプレゼントしてみてください。

ヒマワリ

ちなみにこの本、娘のパパ愛も燃えあがらせるようです。読み終えるとベタベタしてきます。
パパはウルトラセブン すべてのパパが涙ぐむ!『パパはウルトラセブン』

『100万回生きたねこ』(推奨5歳から)

100万回生きたねこ

『100万回生きたねこ』も『ぐりとぐら』『ねないこ だれだ』とならぶロングセラーですね。もう100刷りもしているとか。

ヒマワリ

順番は、『ぐりとぐら』(1963年)、『ねないこ だれだ』(1969年)、『100万回生きたねこ』(1977年)。

子どもより大人が感動する絵本として有名です。読んでみるとわかりますが、たしかに子どもにはちょいと難解。当時5歳くらいだった娘もこの物語をよく理解できませんでした。結末が『フランダースの犬』みたいな感じでして、単純に「かわいそすぎる」と泣きべそをかいてしまうンですね。

そこは親の出番です。「パパはこう思うよー、だからトラ猫はとても幸せだったんだよー」と説明してあげると微笑んでくれました。

人はみな、死ぬことに対して本能的な恐怖を抱えて生きています。「死=不幸」と考えます。でもそうではありませんよね。子どもといっしょに死生観について考えるきっかけを与えてくれた絵本です。

100万回生きたねこ 名作絵本『100万回生きたねこ』は、大人が感動してしまう

おわりに

絵本に夢中の子ども

娘が3歳を迎えた日、「よし、これからは毎日、絵本を読んでやるぞ!」と決意。ところが、ブランクが長すぎて、どんな絵本がいいのか、人気があるのか、さっぱりわかりませんでした。

図書館へ行きました。深閑とした絵本コーナーでいろいろ物色していたら、子どものころに好きだった本と再開したりして、いつしか絵本の世界に耽溺していました。何度も通いました。

図書館で出会ってうちの書架にもほしいな、と感じたものは買いました。このページにあるのはそういう絵本たちです。

子どもとの時間を充実させるには、子どもを喜ばせるまえに、自分が楽しむこと。この記事を読んでくださった方がそういう絵本と出会い、お子さんとの満ち足りた時間をもてますように――。

4 COMMENTS

なかい

はじめまして。ランキングからきました。宜しくお願いします。

ヒマワリ

はじめまして^^ こちらこそよろしくお願いします。ところでランキングってなんですか?

mityo

こんにちは
友人の子供へのプレゼントの参考になりました(^^)
ありがとうございます!

ヒマワリ

ははは。それはよかったです。ご丁寧にコメントありがとうございました!

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